サッカーキャンプインタビュー 1回目(野口様)

2010年~2019年まで10年間ブラジルでのサッカーキャンプを利用していただいた野口さん(当時ヴェルディ相模原コーチ)に当時のことを思い出してもらいながらインタビューを行いました。

簡単に名前、サッカー歴など自己紹介をお願いします。

Jリーグの東京ヴェルディの傘下にあるヴェルディ相模原というところで19歳から指導者を始めました。
エジソンさんとは2010年にサッカーキャンプのプロジェクトで出合わせていただいて、そこから10年間毎年フッチボーラが計画するブラジル遠征の方に参加させていただきました。
毎年20名ぐらい連れて行っていたので、延べ10年間で200人ぐらい。
1500名程度の子供たちとブラジルのイトゥーという場所で一緒に参加させて頂きました。
そのプロジェクトとしては一旦コロナの影響で終わってしまっているので、その間に僕がヴェルディ相模原というクラブから退団しまして、今はFC BANDE PLUSという自社のスクールを運営しながら、横浜ミラオーネというジュニアユースの指導に当たっています。
あとはFC町田ゼルビアのレディースのところに携わっていまして、今回は2024年の3月にブラジル遠征の開催を目指して今エジソンさんと一緒に協力させていただいている、そういう状態です。

ヴェルディ相模原の時もジュニアユースの世代でしたっけ?

そうですね。年によって担当が違いましたけど、基本ジュニアユースの担当で、ユースと小学生以下幼児も含め、幅広くそこは対応させていただきました。

ブラジル遠征は基本的にジュニアユースの年代を連れて行った?

そうですね。ジュニアユースの新中学3年生に当たる子供を連れて行った時と、新中学2年生に当たる子供を連れて行った時と、2パターンあったと思います。

2010年に初めてブラジルにヴェルディ相模原で遠征したんですけど、多分その時が私のスタートでもあると思います。
1 回目はどちらかというと、相模原のみでの遠征だったと思うんですけど、行った時の印象ってどんなものでしたか?

日本でブラジルっていうイメージをすると、明るく華やかなイメージと喧騒に満ち溢れたというか。ちょっと危険そうなイメージと両方イメージしやすくて。
ハングリーとか。そういったところもかなり自分たちの知識の中に、もともと根付いていたものがありましたけど、行ってみて全てが正解なんだなっていう部分と、ある程度現地に行った時に、日本ではないので、きちんとそれを理解した方々にコーディネートしていただいて、リスクのところっていうのは、最小限に抑えていただいたというところで、安心感がありました。
逆にその安心感を覚えながらでも、ここの文化としては、こういうところ気をつけないといけないんだよっていうのも学べたので、色んな意味に勉強になることが多くて、すごく刺激ばかりの楽しい2週間でした。

ありがとうございます。どういうきっかけで私と知り合ったんだっけ?

エジソンさんと知り合ったのはヴェルディレスチの方々からの紹介ですね。
(レスチが)ブラジル遠征をするんだけど、相模原はどう?っていうことを1月のヴェルディの催事で言われたのがきっかけです。

でその年の3月に行ったわけですからね。

1月の上旬に年始の行事なんで、1月6、7日ぐらいまでに話をいただいて、2、3週間ぐらいですぐに行くことを決めました笑

ということは、他の支部はもう決まっていて、そこに相模原も行きましょうってなって、相模原は誰が向こうでコーディネートする、アテンドするの?っていう話で紹介していただいたんですよね。

そうそう。当時1回目はレスチと相模原しか行ってなくて、該当学年を担当していたのが僕だったので、もう即決でお願いしました。

でも何故ブラジルなんですか?

やっぱり憧れですよね。サッカー王国っていう憧れと、ありきたりかもしれないんですけどペレであったりとか、歴代のスーパープレイヤー、スーパースターってブラジルにいるっていう印象があったのと。実際、現代にもヨーロッパが世界の中ではトップレベルかもしれないですけど、その中でトップを占めているのは南米の選手かなと思うので、そういう意味では魅力的な国のルーツを知りたいっていうのは大きかったです。

2010年って言いますと、あの頃ってどちらかっていうとヨーロッパに遠征するチームが多かったと思うんですよね。

ヨーロッパも確かに魅力的でしたけど、選手を育てるっていう意味であったり、自分自身が成長するっていう意味だったり、まだ見たことのない世界を見てみたいっていう意味では、未開の地っていうのがブラジルだったっていうのはあります。
サッカーやっている人は、ヨーロッパよりも南米ブラジルっていうのは魅力的に感じるのかなと思いますけど。

あとヴェルディ自体がやっぱり(チーム色がブラジルだしね)

そうですね。ブラジル色が強いですからね。

そういうのも多分あったのかな。実際に向こうに行ってみて、はじめは20人ぐらいかな?

たしか24人だったかな。

それ以前から私はキャンプの手伝いをしていましたけど、自分が責任者として、組み立てるというのは初めてでした。
その頃は普通にキャンプみたいな形でしたよね。それから数年後に2年目か3年目ぐらいから大会に出て行ったわけですけど、その大会じゃなくて初めて行ったじゃないですか。トレーニング、練習試合。あとは1つのチームと私、あとはマリーニョ(現地ブラジル人責任者)とか受け入れメンバーがいたけど、そういう面では自由がきいたんじゃないかなと思うんですよね。

最高でした。大会形式の遠征もすごく得るものが多かったので、そこに不満があるということは全くないんですけど、自由がきいたことで、現地の生活だったり、文化だったりを見ることができました。
あとはコーディネートしていただける試合相手、色んな層のチームとやらせていただけたので、本当の世界のトップofトップのレベルも体験できましたし、逆にブラジルでいう普通のレベルの子たちとも交流させてもらったことで、ブラジル人のサッカーで基礎となるというか、みんなができることは何なのかっていうのがわかりましたし、自分たちの位置がどこにいるのかとかもわかった上で、色々選手1人ひとりのコンディションにもすごくフォーカスしてスケジューリングをしていただけたので、息抜くところは息が抜けて、逆に締めてサッカーに集中できるところはサッカーに集中できて、本当に色んな体験ができたので、およそ2週間という期間でしたけど、ホントに良い意味でバカな感じで、本当にあの時はバラエティーに富んだ経験ができて、本当にまた来たいっていう想いがどんどん膨らんだ遠征でした。

実際に向こうに行って色んなチームと対戦するじゃないですか。色んなところとマッチメイクができこともあったと思うんですけど。
もちろん遠征先っていうのは、サンパウロ州のイトゥー市ですよね。宿泊先はペジモレッキ。あの近辺っていうのは日本では知られてないですけど、育成に力を入れているクラブって結構ありますよね。本当に名門クラブが。イトゥーにはイトゥアーノがありますけど。
そういうところと対戦をしたと思うし、あとは日本で知られている名門クラブとの1試合か2試合されたと思うんですが。

あの時いっぱいやりましたよね。コリンチャスともやらせてもらったし、サンパウロともやらせてもらったし、それこそイトゥアーノともやらせていただいて、逆にセメみたいなチームともやらせてもらいましたけど、本当にグレミオ・インダイアツーバとも。本当に色んなチームとやらせていただいて大満足でした。

サッカーってどういうスポーツっていうものが、文化レベルでの浸透の仕方が、日本のそれとは全然違うなっていうのはすごく感じました。
例えばセメみたいな末端のクラブも、コリンチャンスみたいな名門の子たちも、それこそどんな状態でもトップスピードでピタッとボールが止まったり。これって日本だと考えづらい。
向こうに行って、エジソンさんたちが当てがってくださった練習を見てくださるスタッフ陣もすごい豪華じゃないですか。
そこはすごくこの企画の売り物だと思っています。
そういう中でドリーヴァですよね。一時期ブラジル代表にもなった。そんな方にも見ていただける機会があった中でドリーヴァに言われたのが、当時、日本で言う関東リーグの中位層ぐらいのチームを連れて行った時に、その子供たちの基礎練習を見て「この子たちはアスリートを目指しているわけじゃなくてスクール生だろ」っていうことを言われた。
ちゃんと基本的なことがまずできていないというのをドリーヴァ本人から言われたんですけど、それがすごく1番わかりやすいところなのかな。
同じ年代の子たちが、それこそキーパーが蹴ったボールを走りながらピタッと自分でコントロールできる。それがどのカテゴリーも、どのチームの子も、そういうのが見られるっていうことでも、そもそもの差を感じたっていうのは最初で。一言でハングリーって言ったら、すごく気合、気持ち、根性のところがフォーカスされがちですけど、実際行ってみて根底のところで違いがいっぱいあるなっていうのがすごい感じたところが大きいです。

そうですね。一言でハングリーと言っても、日本人のハングリー精神がないかっていうと、そういうわけじゃないですもんね。取り組む姿勢は違いが大きいのかなっていうのはあるんじゃないかな。

1番最初にブラジルに行って帰ってきて、ブラジルの子供たちを見たあとに、日本の子供たちを見た時にすごく大きな差を感じたのが、ブラジルの子供たちはまずシュートを決めたがる。
日本の子どもはまずボールを回したがるっていうのをすごく感じました。
ブラジル行った時にちょっとでも隙間が空いてゴールが見えたら、どこからでも大砲みたいなシュートが飛んできて、どの子も自分の力で飛び出すっていうことにも貪欲だし、それがチームとしてのパフォーマンス、勝利っていうところに繋がってくるプレーを1番嫌な部分を選択してくる。
それはサッカーの本質だよなって思った時に、日本に帰ってきた小学生と中学生を見たら、本当にこれでいいのかな。
それこそヨーロッパナイズというか、ヨーロッパを見て見様見真似で、真似をしている現状がサッカーを本当に捉えているのかなっていうのを、すごく感じました。
そういう意味ではさっき言ったヨーロッパっていう選択肢もあって、何故ブラジルなのかっていうのは、特にサッカー人生のサッカーキャリアの中の1番下のスタートラインにいる子供たちこそ、そうそういう1番最初に大事な部分っていうのは感じやすい環境に行った方がいいんじゃないかなっていう意味で、僕は改めてフッチボーラのブラジル遠征っていうのは押したいところかなと思います。

ありがたいことで、ブラジルに10年間行ってもらっているので

10年間行ってますから。

よくよく考えると、サッカーってシンプルなんですよね。目的がハッキリして、それに向かってプレーをするっていう。
得点決めてなんぼだし、失点を防いでなんぼっていうところだから、あんまりボールを繋ぐことに意味があるわけじゃなくて、シュート打てるところは、それを目指すっていうのは、サッカーの基本かなと思うので。
あとは先ほど言いましたドリーヴァですけど、それ以外にも日本で活躍したベッチーニョとか、日本でプレーした経験もある指導者とかに優先的に私はセレクトしたんですけど。彼たちの練習内容を、1年間長期間で1つのチームを指導してもらうわけじゃなくて、臨時スポットで来てもらっているから、多分流れが違うのかもしれないですけど、彼たちの指導の仕方を見て何か違いを感じました?

すごく基本的なことを重要視して言っていただいたんですけど。10年行ったからこそ思うことは、指導者のそれぞれの個性というか、自分はこうだからっていう主張はすごくハッキリしているなっていうのはすごく感じました。

わかる!ブラジルの指導者はそんな感じだよね。

各々が日本にいて色々見ていると、良いとこ取りをしようとして、中途半端な自分のカラーじゃない指導者が多いのかなと思う中で、自分はこう思うっていて、自分はこれが大事だと思っているっていうことを、すごく強烈に表現します。
あと向こうに行って、日本だと静かに見ているのが良い指導だよっていう傾向がある中で、常時喋って、常時パッションを伝えて、選手もそこに反応したり、自分の想いを伝えてって、そういう感情面のぶつけ合いっていうのが、それこそが仕事だっていう捉え方だと思います。
それがちょっとした違いとして感じた中で、さっきも言いましたけど文化レベルの違いというか、差を感じたっていうか。そういう意味で自己表現っていうところが、すごく大事だし、この人たちはすごくそれを楽しんでいるなっていうのはすごく思いました。
帰ってきて今自分が見ているスクールもそうですけど、自己表現を大切にしようっていうのは、日本人だからちょっとそれが拙いというか。そういうものがここ1番の試合で足を引っ張っちゃっているっていうのがあるのかなっていうのは感じたところでもあります。

そうですね。ブラジルの場合、指導者は常に声を出して、モチベーションを上げる方はキツく言う時は言うっていうのがあるから、その辺は指導者は共通しているのかなと。あとはこれだけはブラジル人で共通しているものはあります?

指導者で?

例えば基礎を徹底的にやるとか。

僕はそれだと思います。基礎をすごく大事にしている。大切にしている。
それもさっきもエジソンさんも言っていましたけど、それをどう取り組むかっていうところは、すごく重要視しているのかな。
あとはコリンチャスに行ったら、色んなボールで、例えばテニスボールだったり、色んな形式で変えてやっていたりとか、やり方がそれぞれ違うんですけど、どこに行ってもそれを大事にしているのかなっていうのはすごく思います。

ブラジルって長所はどんどん伸ばすっていう傾向はありますよね。短所は補うようにしていくっていう。

そこは器用貧乏な日本人との大きな違いかなって思います。
さっきも自己表現っていう中でも言ったつもりなんですけど、自分はこうだからっていう部分は、指導としてもすごく大事にしているし、プレイヤーそれぞれも自分のカラーはこうだからっていうのはすごい大事にしている。
そこでの勝敗っていうものにはすごくこだわりを持っているのかなっていうのは印象にあります。それは自分の指導であったり、自分がサッカーをする時にも大切にしたいなと思ったことでもあります。

わかりました。ありがとうございます。
実際のキャンプの内容の話を聞きたいんですけど、行く前に打ち合わせして、おおよそのキャンプの内容って決めるじゃないですか。それっていうのは、どういうところを判断にしてスケジュールというか、約10日間向こうにいるわけですけど、何を重視してスケジュール内容を決めたっていうのはあります?

エジソンさんとマリーニョさんの勧めに従う。
それが1番かなと思いますし、それが1番良い経験を選手たちにさせてあげられるっていう確信と信頼があるので、それが1番かな。
そういう意味では色んなことをぶつけさせてもらっていると思うんですよ。
別にそこに対してできること、できないことが当然あったと思うし、無理難題をふっかけたこともたくさんあったと思うんですけど、でも全て子供たちのため、来てくれた選手たちの為に、ちょっとでも良い思いをさせてあげたいっていう。
色んなスタッフの方いらっしゃいましたけど、軸になるお二人の想いというものに対して、僕らは信頼があったので、それにすべて従う。
従うっていうのは言いなりということじゃなくて、ディスカッションした上で最終的に提案していただくものがベストなんじゃないかなと思いました。

ある程度事前にスケジュールを決めていくじゃないですか。日本と根本的に違うのは、現地に行って変更になったり、スケジュールが結構変わったりするじゃないですか。最終的には、それは全部対応できるようにして、対戦相手が日本を出発した時点ではAというチームだったんだけど変更になってもBというチームは必ず用意するっていう対応はずっとしてきたと思うんですけど。
事前に毎日のスケジュールが1時間単位で決まっていても、変わったりするじゃないですか。臨機応変に対応するっていうところに対しては、すごい戸惑ったところもあると思うんですよ。特に日本人の子供たち「あれ」っていうところもあるんですけど、そういうのも1つの勉強になったところだったんでしょうか。

9時キックオフって言って、9時に行って相手来てないんですよ。
審判も来てないんですよ。
それを30分後に遅れてきて、僕らは待ちぼうけを喰らわせたのに、いきなり早くしろって促されて、向こうはおざなりにパッと入ったら、フルスロットルでプレッシャーかけてくるし、そういう部分も1つの違いだし。
当日の朝にスケジュールどうするっていうことが提案としてあって。でもそこがブラジルならではの面白みとも捉えられるでしょうし、日本で起こりえないことが起こるっていうのも、逆に海外遠征の醍醐味なのかな。
そういうのが楽しみで、でも言いたいのは、そこでいきなり相手がイレギュラーで変わっちゃうとか、色んなことが起きても大丈夫なようにするっていうのは決して簡単なことじゃないと思うんですよ。
僕らとしてもプランB、プランCっていうのも立てた上で、色んな選択肢を僕らの想いにできるだけ近づけるように準備したり、裏で対応してくださっているっていうのは見ていてもわかるし、言葉がわからなくても、きっとそういう形で頑張ってくれているんだなってわかるから。
さっきも言ったように、エジソンさんであったり、マリーニョさんにすべて託して大丈夫っていうのは、僕なりの結論です。

自分としても、例えば10っていうのを基準にしたら、11を提供しますよとはやらないので、10っていうのを考えると、8ぐらいで提案して、結果帰ってくる時に10になっていたら喜んでもらえるわけじゃないですか。
10を提供しますよって、結果8だったら、クレームの対象になったりとか、「ええー」ってなっちゃうんですけど。自分のやり方っていうのは、どちらかというと提案したものよりもプラスアルファをできるだけ与えるようにして、皆さんに満足して帰っていただくっていうようなやり方をやっているんですよね。

だってありえないですよ。普通に向こうに行ってサンパウロと試合して、コリンチャンスとやって帰ってくるってことだって、普通に考えたらありえないし。

難しいですよ。

年によってはポンチプレッタ、パルメイラス行かしてもらってっていう時もありましたし。ソサイチ(7人制サッカー)みたいな形でやらせてもらう時もあるから、色んな体験を10年間させてもらいました。
日本にいてできないことっていうのが、体験しに行くっていう意味で、さっきのイレギュラーが起こることもそうだし、そういう体験をたくさんできるっていうのは本当にありがたいです。

基本的に1日の流れっていうのはどんな感じですか?

午前中、練習なりトレーニングに立ち会って昼食を取って、午後もトレーニングかゲームがあります。
目の前にグランドがありましたからね。そういう意味では目の前にグラウンドがあるから、施設の状態が許す限りボールも蹴れたし、そういう意味では子供たちは暑い中、活動した後プールでクールダウンしてました。
色んな体験が常時できる中で、さっき冒頭にも言いましたけど、施設は抜け出すことも難しいぐらいセキュリティがしっかりしていて、こちらとしては子供を管理する上で、それも楽というか、ありがたい話なところで。

そうですね。逆にホテルではできないことですから。
ホテルだと他のお客さんがいて制限があったり、声をうるさくすると隣の部屋からクレームが出たりとか、そういう面では選手たちが10日間そこで自由にサッカーができて、あとは遊ぶこともできてっていう環境を提供できたのではないかと思います。

本当にすごく良いところが、目の前にグラウンドがあって、練習も目の前でできて、サッカーをしに行っているから、サッカーが良ければ良いってなるかもしれないですけど、言っても13歳、14歳の子供たちを連れて行くので、息を抜く場所がないと、どうしても2週間っていう生活が苦しんで帰るっていうのは、僕らはさせたくないじゃないですか。
リラックスできるところをしっかりリラックスして、気持ちだったり体を休めるっていう環境を作るのは、すごく大事だと思うんですよ。
ただ生活水準がもちろん変わるので、それでも子供たちはストレスかかる部分があったと思いますけど。でも心休まる空間を作るっていうのは、あの環境だったからこそ2週間ずっと子供たちも持ったのかなと思いますし。

そうですね。

それはセキュリティ上の危険が伴うような場所だったらリラックスできないだろうし、それもきちんと目で見て子供が見てもわかるように、きちんとセキュリティが確保されていて、細かいところにたくさん配慮があったので、それはすごくサッカーに集中するっていう意味でも、2週間の生活を充実したものにするっていう意味でもすごく良かった環境なのかな。

選手たち、子供たち、現地の同じ選手と言わず、大人もいっぱいいましたから。
コミュニケーションとか交流っていうのは、色々できたんですかね?

僕としては沢山できたのかなと思います。
施設を利用する方々と交流も子供たちもありましたし、いきなり大人の方々がコートを利用しているところに見に行ったら混ぜてくれて。
大人のブラジル人と13歳の日本人が一緒にサッカーやっていたりとか。
ああいうのがすごく良いことなのかなって。
生活をサポートしてくれる女性陣なんかも、すごく一生懸命子供たちに寄り添ってくれましたから。
親日国家っていうのもあるでしょうし、そもそも僕の印象はすごくブラジルの方々って人懐っこい印象なので、言葉が通じないからって困っている子供たちの日本語を一生懸命理解しようとして、子供たちも子供たちで一生懸命伝えようと拙いポルトガル語の辞書を引っ張りながらだったり、英語をちょっと習った単語で話そうとしたり、英語は通じないことが多かったんですけど。
そういうコミュニケーションを取ろうとする、たくさん努力をしていくことで、最終的にそれが通じた時の嬉しさとか、サッカーボール1つで友達ができたとか、そういう今の現代のスマホで、画面を眺める時間が多い時代の子供たちにとって、生のやり取りで、そういう喜びを得られるっていうのは、すごく良い体験できているんじゃないかな。
そういう意味ではコミュニケーションを取る場っていうのは沢山あったし、そういうコミュニケーションから楽しみを見出すチャンスっていうのを沢山あったので、そういう意味では親御さん、送り出す側の親御さんにもすごく言いたくて、サッカーしに行って帰ってきてサッカーが上手くなりましたっていうことって、2週間ではそんなに大きな劇的な変化はないと思うんですよ。
10年間毎年見ていたのは、行きのトランジットで外国の旅行客の方々と接することを躊躇っていた子供たちが、帰りは積極的に自分から話しかけて帰るようになるので。これからグローバルな世界観で生きていかなきゃいけない子供たちにとっては、そういう外国の方と接する壁を、2週間で確実に崩して帰ってくるので、それはすごく素晴らしい経験だなっていうのは、送り出す身の保護者さんにも伝えたいですし、さっきエジソンさんが言っていたコミュニケーションの機会とか、そういう大切さっていう意味では、本当にサッカー以上に得るものが大きいんじゃないか、それはすごく思います。

現地の子供たちと合同練習とかもね。

そうですね。

楽しんでやっていましたよ。

ブラジルの方々にも楽しんでくれましたし、すごく有意義な時間なんじゃないかと。

そうですよね。2010年とかはSNSとかなかったですけど、多分コロナのストップする前の年ぐらいからは、子供たちも何も知らないけど、SNSで繋がるとか。

そう、あります。あります。僕も向こうの方と繋がっていますし、子供たちも向こうでアカウントを交換してやり取りしてやったりしますよ。それこそ試合の間にスマホで翻訳の機能を使って、すごく近代的なやり取りをしているなと思う時もありますし。

更にこれからそういうのが盛んになってきますよね?

そうですね。そうだと思います。

10日間で言葉は通じなくても、SNSとかで繋がって日本に帰ってきても、翻訳を使いながらやり取りしている選手たちも増えてくるのかなって。

そうですね。

あと実際にこの10年間ずっと色々な形で変化してきたわけですけれども、途中から大会形式になって、行くチームも増えてきたっていう中で、先ほど言いましたけど相模原だけで延べ250人?

200~250ぐらいです。

その10年間で先ほど治安の話とかしましたけど、なにか実際に危険な目に遭ったりはしましたか?

ないです。全くない。強いて言えば2日酔いなったぐらい笑。
それぐらいで全く何も。子供たちに注意喚起として日本ではないからねっていうことを含めて、こういうことに注意しなさいよっていうのは伝えていましたし、そのポイントは教わっていました。
子供たちが危険にならないように、現地の方々に配置を配慮していただいたり、一切そういう危険を感じたことはないと思います。

あと食事も違うし、違う環境の中で体調不良っていうのは絶対避けられないと思うんですけど、病気とかの対応っていうのはどうでしたか?

全く問題ないです。それこそエジソンさん然り、一緒について来てくださったスタッフの方々も病院についてきてくださって、こと細かくこちらの確認したいことも、現地でそこまでホントに確認しなきゃいけないのっていうことも、細かくホントに対応してもらいました。
それこそ僕らとしては連れて行く引率するスタッフの気持ちとしては、子供の顔が見えない保護者さまに納得していただける説明をしなければいけない、その材料をどういう形で得られるかっていうところが非常に重要になると思うんですけど。そこはこちらのスタッフよりも慎重にというか、子供たちを扱う上で、すごく責任感を持ってやっていただけるスタッフの方々にサポートしていただいたので、もう全然そんなことは危険性というか、不安に思ったことはないです。
正直、日本にいたって2週間生活したら、体調崩す子は崩しますから。

そうですね。

暑い中で運動すれば、当然コンディション崩したり体調不良になる子もゼロではないわけで。そういう意味では、子供たち1人ひとり見る目があって、本当に経験がある指導者というより大人が、子供を管理してできているかっていうのが重要なポイントだと思うので、そういう意味では人の目の対応力も全く問題はなかったです。

それはそうですね。なにかあったらイトゥアーノのドクターがいて。

そういう意味では日本よりむしろ良い環境にはあったのかなと思いますけどね。

あと食事面とかは、もちろん日本でも好き嫌い子供たちがたくさんいるわけですけど、ブラジルの食っていうものに関して、もちろんフェジョンとか抵抗がある子もいっぱいいたけど。全体的には食事面に関してはどうでしたか?

アスリートを目指す選手にとって、どういう食事を取らなければいけないか、
実際それって向こうの子供たちと体格差を比較してもわかりやすいことだと思うんですよ。
食事の量、質。そこってビュッフェ形式だったので、逆に自分で色々コントロールできるじゃないですか。それも1つの勉強というか。一緒にご飯を食べてくれるイトゥアーノの選手もいたり、コリンチャンスの選手食堂に行ってとか色んな体験できたじゃないですか。

ああいうのを見たら日本の子供たちビックリしてたでしょう。

味の合う合わないは、これは違う国に行っている以上、多様性を受け入れるのも1つの経験だと思うので、ここに対してはチャレンジっていうものも多少子供にとって必要かもしれないですけど。
それこそなぜこの食事をこの量を取った方がいいかっていうのも考えるきっかけになるのかなって。
この食事を取る上で、自分のポジションはこうだから、これぐらい絶対取らないといけないとか。そういうのも振り返ってみた時に、じゃあ日本に帰ってきて何を食べたらいいとか、考えるのも1つきっかけになるのかな。
もちろんそういうことを考えられる状態でブラジルに行くのも良いと思いますけど、足りてなかったなって思う機会はいっぱいあるのかな。

そうですね。実際に同じ世代のブラジル人が食べている量を見ると、中には自分はこれじゃいけないんだなって思う日本の選手もいますよね。
結構良いことも言っていただいていますけど、苦労とかあったと思うんですよ。
もちろん2年3年行っている間に、いうのって全体で把握できていると思うんですけど。初めて行く指導者の方、チームの方に、こういうところで苦労したっていうのは、多分1回目はあったと思うんですよ。2回目からはわかって行っているから、10年経てば逆に全部網羅している感じですけど。

選手の体調であったり、コンディションっていうものは、日本にいても同じことだと思います。
指導者の方の現地の生活を楽しむスタンスが1番大事なのかなと思った中で、固定概念にとらわれすぎていると、色々間違うことも多いのかな。
日本で生活しているわけではないから、日本で起こりえないことが起こるじゃないですか。それを起こらないという前提で行くと不意打ちを喰らってしまった時に、バタバタしてしまったり。そういうことは多いのかなと思うので。
何が起きても大丈夫なようにって言ったらおかしいですけど、日本での生活が全てだと思わないことっていうのが1番のところなんじゃないかなと思うんですけどね。

事前に我々も説明する必要があるかもしれないですけど。
先ほども言いましたように、ある程度、臨機応変に対応しなくちゃいけないとかっていうのが、日本とは根本的に違うところですから。
日本で合宿に行くと、4日間5日間のスケジュールが分刻みで、そのスケジュール表を見ればそれでOKで。逆にブラジルに行くとその都度スケジュールが変わってくるっていうところ。そういうところは慣れないと、ちょっとしたストレスになりますね。

そうですね。それはあるかもしれない。
僕はそれあんまりストレスには感じなかった方なので。僕のように10年連続で行けたことって恵まれていることだと思うんですよ、それこそ。
でも、もしかしたら1回しか行けない方もいるわけで、その1回の中でいかにたくさん違いを見つけるかと思ったら、そういう意味での、現地のリズムに任せるというか。その方がいいんじゃないかなって思いますけどね。

もちろん、色々チームとコミュニケーションを取ってきたと思うんですよ。だいたいどのチームも同じような感じなんですかね。

とは思いますけどね。でも10年行ったからこそわかることと、初めて行った時に出会うものって、違いがあるというか。そこは行ってそれぞれ色んな人の捉え方があると思いますけど。さっきも言ったように多様性というか、違いを楽しみに行く場だから、人それぞれの感じ方があって然るべきだし、それを思い切り楽しんでほしいなっていうのはあります。

他のチームもずっと行き続けてくれているってことは、それなりに良いから行ってくれていると思います。

そこに対しては満足しかないと思いますよ。ブラジルに行くことって1回行ったら多分ここにまた来たいってみんな思うと思いますよ。
だから、それが続いているっていうのはそういうことだし、10年続いたっていうのは、それが全ての証明だと思います。

実際に我々が使っている宿泊所っていうのは、高級合宿所じゃないし、普通のちょっと不便なところもあると思うんですけど。部屋とかも2人部屋とかホテルと違うじゃないですか。4人部屋もあれば6人部屋もある。場合によっては8人とか。もっと言えば大きな部屋もあったりするわけですけど。そういうところに関してはどう思いますか?

そこでしかできない経験というのもあるじゃないですか。
それこそ2段ベッドの作り日本と全然違いますし。
それこそ下があって、日本みたいに絨毯とか、クッション性があるフローリングじゃないじゃないですか。
だからそこに対してどう対応するかも1つ楽しみですし。それこそ選手同士でコミュニケーションを取ったり、時にはそこで喧嘩が起きたりもするんですけど、それも1つ大切なことだと思っています。
自分たちがいかに恵まれた環境で生活をしてきたかっていうのが、そういうとこでもわかると思うんですね。共同生活を送ることで、普段は本当にキレイなところで、キレイなベッドの部屋で、自分のエリアがちゃんと確保されて生活できていることがこちらではできない。
それを確保すること自体が、いかにありがたいことかっていう親御さんの援助があったりサポートがあって成り立っていたものが、そうじゃないってストレスを、2週間行くことで耐えきれなくなるっていうのも1つの経験だと思う。
耐えきれなくて、そこで「こうだったら」「ああだったら」って振り返って反省を得た時に、自分なりにそれをできるように頑張ってみようってやってみて、日本に帰ってきた時に、それを自分で継続しなきゃダメだなって思う子が多いんですよ。
僕の教えていた子たちの中にも、そこでちゃんと自分でできること。義務教育を終える年代だから自分でできること、お父さんお母さんに頼らずできる限りのことを自分でやらなきゃダメだっていう考え方に変えて取り組んだ結果、高校だったり、大学で寮生活とか、親元を離れて生活をしなくちゃいけなくなった時に、自分はそれができたことでトップチームに上がれて、それが自分のサッカーキャリアを伸ばすことができた要因だと思いますっていう子も複数いました。
そういう経験を積むのって、すごく大人になってくると大事なのかな。そういうのはさっき言った共同生活を、そういう環境で送るっていうことは、一見子供を送り出す保護者さまからすると、そんな劣悪な環境でって思う方もゼロではないけど、そういう環境が子供を育てている事実を見てきたので、僕はそれがすごく良い経験なのかなと思います。

実際に本当に良い環境だけを優先するのであれば、別にお金出せばできるわけですけど、でも自分たちはそれじゃなくて、日本でも合宿って言ったら旅館スタイルってあるじゃないですか。そこまでいかなくても、同じ空間で宿泊所の中で、自由にサッカーができて、自由に24時間自分たちで考えながら遊べる。
サッカーに専念できる。なおかつ、サッカーって団体スポーツであり、社会性が必要なものじゃないですか。だから自分たちは4人だったり、8人だったり、もっと言えば、もっと広い大部屋だったりっていうようなところで、1週間なり10日過ごしてもらうことも1つ大事なことかなとは考えてはいるんですよ。

おっしゃる通りで、しかも最初の話に戻っちゃいますけど、同じ額でヨーロッパに行こうとすると、期間が確実に短くなるじゃないですか。
でもブラジルに行くと、ヨーロッパ以上の期間を過ごせるから、そういう意味では本当に自分でやらなきゃいけないことに気づける期間と、そこに対して気づいた後にトライする期間の両方を持てるっていうのは、僕はメリットだと思っていて、時差ボケも含めて1週間ぐらいで子供たち1回打ちのめされる期間が来て、残された期間でトライをして帰れる。そのトライをした自信の延長線で日本での生活を送れるっていうのもできるのがブラジル遠征の1つのメリットかなと思います。

日本に帰ってきた時に、お父さんお母さんに感謝する気持ちは芽生えるんじゃないですか。

芽生えます。遠征費って決して安くない額だと思いますけど、例えば遠征費が40万だったとして、遠征費を払って40万のダイヤの指輪がもらえる訳じゃないですか。
結局無形の価値というか。どういうところに価値を見出すかっていうことだと思うんですよね。お金を出す保護者さまからすると。
それって結局、日本に帰ってきた後に、ブラジルで得たものをどう育てるかっていう大事な部分はそこにあると思うので、色んな意味でブラジルの色んな感性を得てきて、それを日本で育てるっていうことに、すごく意義があると思うから。そういう意味では向こうで苦労も楽しいことも全部受け入れて、色んなものを感じて返ってくる。それがすごく重要なことなのかなと思います。

そうですね。ウォシュレット文化って日本だけですからね。スペイン行っても、フランスに行ってもウォシュレットはないので。

それは間違いない。ちゃんと持って行きましたから。

あと途中から大会形式になったじゃないですか。
どちらにもメリット、デメリットあると思うんですよ。結局1回コロナで中断して、また再スタートを来年から切ろうと思っているんですけど。多分、来年はキャンプ合宿形式からまたスタートすると思うんですね。その辺のメリット、デメリット、良いところ、悪いところっていうのを教えて下さい。

僕はキャンプ形式の方が好きです。
個人的な好みは。向こうに行ってサッカーするだけじゃなくて、色んなことも自由に経験できる。自由に経験できるっていうのは、もちろんそれはエジソンさんたちのコーディネートにわがままをぶつけるっていう話なんですけど、そういう部分でも、自分たちなりの自由気ままにじゃないけど、体験したいことをせっかく行くからこそ、自分たちができる限りたくさんのことを体験できるように対応していただくっていうところは、そういう意味では色んな経験ができたという意味で、キャンプ形式の方が僕は好きでしたけど。
でも実際、例えばどの試合にも全力なんですけど、大会形式で組んだ時のブラジル人の人たちの取り組み方というか。本当に優勝がかかったゲームのブラジル人の本気度だったりとか。予選通過をかけた時の本気度っていうのは、トレーニングも違うじゃないですか。
そういう部分で、どっちの方が良いのかなってなった時に、本当にどちらにもメリットが多くて、もちろん大会形式になった時のデメリットじゃないですけど、僕はキャンプの方が好きでした。アレンも色々できるので。

我慢ができないデメリットかって言われたらそうではなくて、メリットがデメリットを超えてくれるから、それはそれでホントに行く意味は大きいのかなと思うので。
どちらにしてもすごくいいかげんな言い方ですけど、どちらでもブラジルの良さっていうのは楽しめるのかな。

自分が1つ考えているのは、ブラジルのチームっていうのは、どんな小さい大会だろうが何だろうが、絶対優勝するっていう強い気持ちを持っているじゃないですか。
例えば10日間という期間の中で、ミニ大会みたいな形で、そこで本当にガチンコで相手が100%、150%の本気を出して戦える部分もあれば、今おっしゃったようにアレンジする期間も、自分たちのやりたいことをもう少し上手く調整できるような日数もあっていいのかなっていう。
それを10日間で挑戦できるようなスケジューリングにするのが良いのかなと思ったりしているんですよ。

子供らはエジソンさんの企画の中で、僕はすごく大事だなと思っているのは、キャンプにしても、大会形式にしても、どういうメリットがある、どういうデメリットがあるっていうのを、エジソンさんがきちんと僕らに説明して落とし込んでくれる。僕は10年行ったので、どちらの形式も体験できたじゃないですか。
色んなチームとも体験できる。
ただ1回しか行けない方もいると思うんですよ。その1回しか行けない方にとっては、そのどこにメリットがあるのかとか、じゃあデメリットがあるけれど、それをこうすればもっと良い体験ができるよっていうことを、エジソンさんたちがきちんと落し込んでくれるので、だから1回しか行けなくてもこういうスケジューリングには、こういうメリットがあって、こういうことを子どもたちに落とし込めるよっていうことが明確なので、そういう意味ですごくどちらになってもというか、結局どこに行こうか悩んだ時に、本当に最初に原点に戻るんですけど、最終的にエジソンさんたちに任せておけばいいやっていう感覚になるのがそういうところで。

プレッシャーです。

でも本当にそれはいっぱいあると思うんです。ただバスに乗って座っているだけのコーディネーターの方も、もちろんいっぱい居るじゃないですか。
でも、こういう所を見てもらおう、日本とこういうところが違うよねとか。
そういうところを教えるというよりも、子供たちと一緒に目線を下げて楽しみながら伝えてくれるっていうことが、それは人だと思うので。

それは野口コーチがそういうところをしっかりと子供たちに伝えようとしているから、コーチ自身が積極的にそういうのを色々子供たちに、例えばバスでどっか行ったりとか、ショッピングに行ったりしても、こういうところをちゃんと自分たちで観察するんだよって言ってくれるじゃないですか。

それはエジソンさんに教わったことを、あたかも自分が知っているかのように言っているだけです。1番最初に教わったことです。

そういうところも指導者によっては気にしない人もいるだろうし、中にはせっかく来たんだから自分で買い物してみようよとか。
自分でコミュニケーションを取りながら、欲しいものをチョイスしてみようとか。あとで日本のショッピングも、ブラジルのスーパーマーケットの違いに何か気づいた?みたいな。そういうところを野口さんはしっかり子供たちに伝えているからなんですけど。

それはエジソンさんがこういうところ面白いですよっていう促しを最初にしてくれたから、そういう風に思った部分たくさんあるでしょうし。
だから現地に行った時に現地の指導者に子供たちから質問させてもらったりとか、いっぱい機会を作ってもらったじゃないですか。そういう生の声を聞く時間っていうのも、もしかしたら向こうでいったら、彼らだったりエジソンさんは仕事の時間じゃない時間も労務しますというか。
休憩中でもできるところを、わざわざ割いて対応してくれることもあるから、色んなことが子供たちも落とし込めるし。結局そこって最初に言ったように、ホスピタリティというか。来てくれた人たちのために、どういうことをするべきだとか、してあげたいかっていうのを、身を粉にしてやってくれるっていう姿が全てだと思うので、そういう人たちに子供たちを預けられるっていうのは全ての信頼になります。

あと試合を見に行くじゃないですか。試合会場に行ってもちろんタイミングってあるので、ビッククラブのゲームが見れるタイミングもあれば、なかなか日本でも知られているようなチームじゃない場合もありますけど、基本的には試合会場の雰囲気ってあるじゃないですか。
実際にあの試合を観戦して、どういう風に感じましたか。皆さん、日本の試合を見に行っていると思うんですけど。

でもブラジル人の方々の戦わなければいけない環境って、緊張感が違うなっていうのを思います。サポーターの方々の声援1つ取ってもそうですし。見る方もサッカーを知っている量というか、サッカーを見る目が肥えていますよね。
流れに応じてだったり、的確なことをすごく良くも悪くも表現するので。そういう中でプレーをしなきゃいけないブラジル人の選手たちも、緊迫感っていうのは、Jリーガーのそれとはまた違うものがあるのかなっていうのは、現地に行って思うことは、まずそれですね。

それはありますよね。選手たちが感じるプレッシャーっていうのは、Jリーグと比較するのはわからないと思うので、ブーイング出す時は思いっきり出すし、良い時はみんなでワーってやるし。
もちろん試合を見ていて私は面白いんですけど、多分あの観客の応援を見ていてもすごく面白いんじゃないかな。あれは日本では見れないものだと思うんですよ。

そうですね。それはもうすごくおっしゃる通りだと思います。行った方にしかわからないものっていうのは、そこには絶対あるのかなって思いますね。

それを私は感じます。

だからこれから行く方々には、それはすごく楽しみにしてもらいたいなって思うところですね。

もちろんタイミングよく、ビッグクラブ同士の対戦カードがあればいいんですけど、そうじゃない時でも、中堅クラブ同士でも盛り上がる部分は変わらないと思うんですね。あと選手たちのレベルの差はあっても、試合中の緊迫感というか、選手1人ひとりの感じているプレッシャーというのは、別に変わんないじゃないかなと思う。

そういう意味でもさっき言いましたサポーターの人たちのサッカーを見る目が肥えているっていうところと。
それこそ、その見た試合を帰るとずっとテレビで放映されていて、24時間どこでもサッカーを見れる状況があったりするじゃないですか。

数え切れないぐらい24時間サッカー番組をかけ続けているチャンネルありますよね。

あれすごいね。ああいうのを子供が見るのも1つの刺激なのかなと思います。

ずっとやっているから再放送の録画かなと思う時ありますもんね。言葉わからなくても、サッカー番組ってあるじゃないですか、ディスカッションの。本当に日本じゃ信じられないくらいに熱くなって。

そんなもんだけどね。単純だから

あと10年やっていると、中には本当にブラジルを好きになって帰ってきて、ブラジルにそのあと行く選手っているじゃないですか、大人になって。

僕もそうですね。

何が嬉しいかっていうと、私は覚えてないですよ、もちろん。そんな中学生が社会人になっているわけですけど。逆に覚えていてもらったり、また先生と一緒だったりして、コーチと一緒だったりして「覚えているか?」って言ったら「もちろん覚えていますよ」って言ってくれて、そこで「どうなった?」って話をすると、「色々キツイ部分とか色々ありましたけど、今となってはまた行きたいですね」って言ってくれるのは嬉しいです。全員じゃないですけど。

そういう子多いですよ。

結局ブラジル料理が好きになって、シュラスコとか食べるじゃないですか。それが好きになって、日本に戻ってきてシュラスコとか食べに行くようになる子供たちって結構多いと思うんですよ。逆にまた本場で食べてみたいってなる。

初めて行った時に、向こうでポンデケージョを食べた子供がこっちに帰ってきて、コンビニでポンデケージョを食べて、これは違うってすごくわかったような口で言ってたりするんですよね。
向こうに行ってブラジルに行って、さっきも多様性って言いましたけど、まだ見ぬ世界がいっぱいあるんだなっていうことにすごく刺激を受ける子が多くて、初めて行った時も、あの当時中3になる子たちを連れて行ったんですけど、ホント1年後に留学した子が3人いて。
日本国内にいるのも魅力だけど、もっと若いうちに色んな国を見てみたいって言って、イングランドに留学した子もいれば、その年以降、色々世界を転々と周って、大人になっても世界中を巡って、今、学校のそういう授業でやっている子がいたりとか。それこそ本当に当時行った、最初に連れて行った子なんかは、その遠征をきっかけに、いつか海外でプレーをしてみたいっていう夢を持って、結果的に大学行くまでやった後に、日本で働きながらサッカーを頑張って、ヨーロッパのセカンドディビジョンですよね。向こうでお金もらいながらサッカーできるようになりましたっていう子も出ました。
色んな世界を見てみたい。日本国内にいても知らないものに興味を持つことの楽しさというか。本当にオープンに物事を取り組んだ方が、自分にとってすごく幸せなことが多いんだっていうのは、遠征に行った子はすごく感じて帰ってくる子が多いと思う。そういうのがさっき言った無形の価値というか。
それがすごく子供たちは感じて帰ってくる大きな財産だと思うので、これは本当に1番大きな変化だと思う。
僕が見てきた子200から250って言いましたけど多いんですよ。
海外にそのあと出て行く子、それこそエジソンさんを頼って海外留学に行った子もいるじゃないですか。

はいはい。

それだってそうだし、本当にだからもう1度ブラジルでチャレンジしたいっていう子もいますから。

本当に嬉しいありがたいことだなと思います。中には帰ってくる時に、全員が100%満足しているわけじゃないと思うんですよ。
中には食事が合わなかったとか、色々あるじゃないですか。でも5年10年経った時に、それが行って良かったな、人間って5年10年経つと良い思い出として残ることも多いんですよね。
色んなところで会って「また機会があったら行きたいです」って言ってもらえるのはありがたいかな。

本当にそんな子ばっかりですよ。親になった子もいますけど、子供を持った子もいますけど、機会があれば行かせたいって言いますもん。
それこそブラジルは最高だったって言いますけど、それによって海外に出してみたいっていう欲がすごく強くなるっていうのは、傾向としては本当に強いと思います。

保護者の皆さんに、なかなか伝えるのは難しいですよね。
イメージ的には皆さんスペインでのイングランドとのイタリアだのドイツっていうのが、日本ではサッカーっていえばそちらばっかり応援するじゃないですか。
野口さん10年間行かれて経験して、自分で色んな見てきた知識を説明会とかで実際に話していただけると、これは説得とは言わないですけど、1回2回じゃなくて10年っていう長い歴史の中で、皆さんにお話しできるっていうのは大きいと思うんですよ。
結局、もちろんそこで良いことばかりじゃないですからね。こういうところに注意しなきゃいけないとか、こういうところは日本と全然違うんだっていうのをちゃんと伝えていましたので、説得力があるのかな。

親御さんがブラジルっていうことを聞いた時に、引率のスタッフもそうですけど、1番最初に頭が浮かぶのって治安のリスクだと思うんですよ。
でもそれって正直なところ、僕もヨーロッパとか周りましたけど、ヨーロッパに行っても同じだと思うんですよ。
日本じゃないから、色んなところにリスクがあるし、当然守らなければいけない時間や場所を守らなければ、当然どこの国に行っても、ヨーロッパに行っても危険は危険なわけで。
現地の方々も責任あるコーディネートがあれば、別に治安の部分っていうのは、全くゼロじゃないにしても、南米のそれ、ブラジルのそれをデメリットと捉えすぎることは必要ないことだと思うし、結局さっきも言ったように無形の価値をどこで作るかっていうことだと思うんです。
それが長い期間行けば行くほど、年齢が低ければ低いほど長期間行った方が吸収できることも多い中で、年齢が小学生や中学生になればなるほど、何が伸びやすいかっていうことも考えた方がいいと思うんですよ。例えば発想を作りだすことって、例えば40歳に近づいていますけど、40歳の僕が何か発想を生み出すよりも、10歳の子が生み出す方が、可能性としては大きいし、柔軟に対応できるわけで。
そういうルーツのある時に連れてって刺激を与えた方が、いっぱい変化が生まれるでしょうし。

そうでしょうね。先ほど言いましたように治安とかって言いますけど、私も10年以上やってきているんですけど、人数は正確に把握してないですけど、2500人かもっとそれ以上の選手たちを向こうでコーディネートしているんですけど。もちろん危険は常に周囲を最大限払いながらやってきていますけど、おかげさまで治安という面でトラブったことは1度もないので。ただ、もちろん練習中とか喧嘩とかそういうのは別で。
接触プレー、サッカーはありますから、そこで打撲したとか、捻挫したとかありますけど。それ以外のところで、怪我をしたとか治安に関係するところでは、おかげさまで私もまだ1度もないので。これからも絶対ないとは言えませんけど。

そこは最大限努力してくださるのは、僕は10年やっていてわかっているので、そこは全くこれからも信頼してお任せできると思いますけど。全然そこについては問題ない。

あとまだ検討されている方、初めてブラジルに行ってみようかなっていう気持ちがある人たちに対して、何かメッセージはありますか。ブラジルお勧めのメリットとか。なぜブラジルなのかって。

僕自身が幼少期にアメリカに住んでいたっていうところと、クラブの恩恵でヨーロッパに触れる機会があったっていうことと。その上でブラジルを体験したっていうところで話をさせてもらうならば、すごくブラジルの遠征に行った時に、日本人であることの良さとか。日本人が今欠けてきてしまっていることとかっていっぱい感じるところがあると思うんですよ。
正直、強い人たちと自分たちよりもレベルの高い相手とサッカーするんだったら、わざわざ海外に行かなくても日本国内でもなんとかなるわけで。親元を離れてたくさん生活するだけだったら、別にそれも国内で済んで、海外に行くだけだったら別に韓国でもいいわけです。
それのブラジルに行くっていうことの中に、どんな価値を見出すかってなった時に、さっき言った海外の方との壁をっていうところについては、日本人、アジア人に対して、どんな目を持っているのかっていうのもすごく大事なことだと思うんです。
ヨーロッパの方から見るアジア人、日本人っていう部分と、ブラジル人の見る日本人っていうのは、そもそもの文化レベルでさっき親日国家って言いましたけど、そもそも人懐っこい性格の上で、日本人に対しての理解が深い熱いっていうところが1つあった中で、僕自身が今の子供たちを見ていても、指導をしていても、僕たちの時はこういう良さがあったけど無くなっちゃったなって思うことがいっぱいある。
それをエジソンさんとか他の大人の方々が見たら、僕に対してもでしょうし、今の子たちにもたくさんある中で、古き良き日本って大げさかもしれないですけど、日本人の良さっていうところを振り返るきっかけって、多分違う文化に触れて色々教えてくださるような方々がいっぱいいる環境だからこそ、触れる機会がすごく多くて。じゃあ日本人として大切にしていった方が良いことっていうのは、いっぱい振り返るチャンスが、ブラジルに行ってたくさんあったなってすごく思う。
それはきっと日本人っていう民族が、ブラジルの方々と作り上げた文化って中に、ブラジルの中に少し残されたものがあるでしょうし、すごく人想いな部分っていうのは、僕はたくさん感じるきっかけをいただいて帰ってきているので。そういうのって日本人として無くちゃいけないところなのかな。
すごく自分たちで誇らしく思っていたけど、いつの間にか欠けていた部分じゃないかなっていうのを、ブラジル人の方の生活だったり言動を見ていると感じる機会がいっぱいあったので。ヨーロッパに行くとすごく規則契約。すごくカチカチとしている。
日本人を、僕的には対等という目線ではないのかなと思うことがたくさんあるので。

それって指導者の立場からだけでなく、子供たちも。

もちろん、もちろん。少なからずあります。それはお国柄なのか。今までの歴史の話なのか。いっぱい影響を受ける面ってあると思うんですけど。

本当にブラジルって多民族国家じゃないですか。
その一部を占めているのが日本人であって色んな文化でブラジルを作り上げているっていう部分があるんですよね。だから逆にブラジル人って一概に言っても色々違う人もいれば、色々な人もいるわけですけれど。
総合的に言うと、誰でも受け入れてくれる国ではあるのかなと。そういう意味では、先ほど言いました人懐っこさとか、日本人をリスペクトしつつ受け入れてくる。

だから逆に日本人として、変えた方が良いのかなと思うこともあるんです。ブラジル人の方を見ていると。カチカチとしすぎているっていうか。息まき過ぎているというか。もっとフランクにというか。肩の力を抜いて生きてもいいんじゃないって思うことも多くて。
そういう意味では考えすぎていたな、思い詰め過ぎていたなって思うことがあるんですね。ブラジル人の方々を見ていると。この人たちが生活している1時間と、僕らが日本ですごく窮屈な顔をして生活をしている1時間って、同じ1時間だよなと思った時に、こういう方々みたいな生き方をした時に自分のストレスってちっぽけだなっていうか、吐き出し方としては、心を着地点としてすごく良い意味でストレスを受けるというか。そういうスタンスを学べたのもブラジルに行ったら1つの効果なのかなと思って。

そうですね。多分、子供たちもそれだけの世界中の人種が集まっている中で交流するということは、すごく良い経験でもありますね。

僕なんかはそういう色んな国の方々とも接して、海外の方とも壁を崩して、さっき言ったように海外に影響を受け過ぎるんじゃなくて、日本人としてこうあるべきだなっていうのが整理できるっていうところが、何回も言いますけど、無形の価値としては大きいもの。生涯残る価値観としてはすごく良いものなのかなと。

また来年あたりからブラジルに行けるのであれば、これからもずっとブラジル行かれる?

もちろん。もちろん。

ブラジルオンリーとは言わないですけど、ブラジルをメインに考えてらっしゃるという風に捉えてよろしいですか?

ヨーロッパは行かない。それこそ旅行で行くしかない。

野口さんとしては海外遠征するなら別にフッチボーラじゃなくても、国を選ぶならブラジルっていうところですかね。

ブラジルだしフッチボーラです。

ありがとうございます。

ブラジルを押す理由って、逆にエジソンさんたちはどういう理由があるのですか?

私も実際に2010年と言いますか、私は1回スペインをコーディネートしているんですよ。スペインに私行ったんですけど、もちろんスペイン良いところですよ。バルセロナに行ったんですけど。
マーケットとすればスペインの方を優先した方がビジネスとしては成り立つと思うんですよ。でも自分はブラジル人じゃないですか。Jリーグで通訳をやっていたりしていたので、ブラジルの関係者とか。逆に私がJリーグで通訳をやっていた時の、そういうブラジルの選手たちが10年15年経って引退して、そうするとブラジルの色んなクラブとか、色んな組織でそれなりのチームについている。そういうコネクションもあるし、やりやすい部分もあるので。
自分はブラジルのサンパウロに住んでいて、サンパウロは知り尽くしているとは言わないですけど、そこで生まれ育っているから、ブラジルのことわかっているじゃないですか。あとはスペインを2回経験していますがそれと比較しても、本当に、ジュニアユース、ユース世代が行くべき国は自分なりにブラジルだと思ったんですよ。よりベストな内容を提供できるのもブラジルじゃないかと思っています。

フッチボーラにお願いするメリットって、エジソンさんのマンパワーは間違いなくメリットですからね。コリンチャンス行きたくても普通は行ける訳じゃないでしょうし。パルメイラスもそうだし、サンパウロもそうだけど。そういうチームとやれて、優秀なスタッフの方々を呼べる。それは間違いなくフッチボーラにお願いする理由の1つです。

それは自由に選んでいただいて結構です。

選んだ理由の最大の1つは、フッチボーラエジソンのマンパワーですよ。そのコネクションの強さっていうのは、他にはない強さですから。

ありがとうございます。

これは大前提の話です。今までした話は。

私がこうやってできるのは、ブラジルのパートナーのマリーニョがいるからです。日本で全部そういうのはできないので、それを全て向こうで手配して実現してくれているのはマリーニョの力が大きいですよね。毎年継続していたから良かった部分であって、ブラジルって成績不振だと監督が変わるだけじゃなくて、担当者も変わるじゃないですか。だからそういうところをもっとしっかりと早い段階で繋いでいかないといけないのかなっていう。

これは絶対強さですよね。エジソンさんのところの強さ。それは他では買えないっていうのが。そういうことができて、なおかつ色んなところで、色んな体験ができる。

野口さんはお客さんという立場ではあるかもしれませんが、私にとっては良きアドバイザーじゃないですけど、ずっと一緒にいっているからこそ、アドバイスしていただける部分があるじゃないですか。なので、本当に来年から再開できればなと思っています。今日は本当に長い時間ありがとうございました。

対談は2時間に渡り行われました。

ご協力してくれた野口さんありがとうございました!

野口さんのFC BANDE PLUSのチームのインスタはこちら

当時の様子

コリンチャンスにて

エジソンと

テスト

元ブラジル代表アモローゾ氏に遭遇

試合会場にて

ジュニーニョ氏と

試合中

ショッピングセンターでの夕日

観光ツリーハウス

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