元留学生インタビュー 3回目(井勢 天智君)

2015年9月~2016年9月までブラジル留学をしていた井勢君に当時のことを思い出してもらいながらインタビューを行いました。当時のことや現在に渡って色々と語っていただきました。

簡単に自己紹介をお願いします。

鳥取県出身の井勢天智といいます。現在27歳。1995年6月2日生まれです。

現在は鳥取県のフットサルチーム、チーム名はファレイア鳥取で選手兼コーチとして活動をしています。普段は園児、小学校低学年を中心に指導していて、スクール後に自分のチームの練習に参加して、週末が試合っていう流れで今は生活しています。

経歴としては、サッカーは小学校のときに地元で始めて、中学校も地元のクラブチームに所属してサッカーをしていました。そんなに特別強いっていうチームでもなく、大会結果とかも言うほどでもありませんでした。高校で米子北高校、鳥取県だと1番強い高校でサッカーをやらせてもらって、2年生からAチームに入って全国大会とか天皇杯とか、色々そういった経験をさせてもらって、3年の時にも全国大会に出させてもらったという経歴になります。高校卒業後にエジソンさん達にお世話になってブラジルに留学っていう形で今に至ります。

ありがとう、ブラジルはどのくらい行っていたんだっけ?

ぴったり1年です。

主にイトゥアーノFCだよね。

最初の3ヶ月がイトゥアーノで、次の3ヶ月がサンタヒッテンセ。最後6ヶ月がジャバクアラで過ごしました。

そっか。ジャバクアラが長かったんだよね。なるほどね。どうだった?ブラジルに行って。

自分が思っていたより上手くいかなかったことが多かったですけど、帰ってきてすごく経験が生きています。サッカー、フットサルもそうですし、それ以外の生活、人間的なところがあの1年間があったからこそ、今があるんじゃないかなと思えるぐらい刺激的な経験をいっぱいさせてもらって、本当に行って良かったなと思います。

そう言っていただければ、こちらもありがたいです。色々選択肢はあったと思うんだけど、ブラジルを選んだ理由っていうのは?

中学校のクラブチームの監督がブラジルにサッカー留学をしていた方で、そういった話も昔から聞いていました。留学をするならブラジルに行きたいなっていうのがあったので、それが1番大きいですね。高校を卒業して大学サッカーやろうと思って大学受けたんですけど、なんせ頭がいいものじゃなくて、受験の方は落ちてしまって、浪人してもう1回目指すかなと思ったんですけど、それより思い切って海外行ってみたいなっていうのがあって、行くならブラジルって決まっていたんで、それで選択しました。

じゃあ結果的に行って良かったね(笑)

はい。大学落ちて良かったです(笑)

ブラジルで3チーム渡り歩いたと思うんだけど、1つ1つ特徴っていうか、違いとかあったと思うんだけど、その辺を簡単にお願いできれば。

1チーム目のイトゥアーノに関しては、スビ・ビンチ(U-20)に所属させてもらったんですけど、振り返ると、この3チームの中で1番環境も良かったし、チームメイトも上手だったし、その分すごい色々苦労したというか、すごいキツい経験とかもあったんですけど、この3ヶ月は本当にイトゥアーノで色んなことを学びました。
サンタヒッテンセに関してはすごい田舎のチームだったので、環境がめちゃくちゃひどくて。チームの経営陣っていうのも言っていることが本当かどうか分からない感じの人たちで、色々怪しいところはあったんですけど。でも実力的に1番3チームの中で上手じゃなかったクラブなので、結構自分が出れたというか、地元のプロチームとの練習試合も選抜で出させてもらいました。
そういう意味では試合で1番絡めたチームだったので良かったと思います。最後のジャバクアラに関しては期間が1番長かったんですけど。最初スビ・ビンチ(U-20)に入る予定だったのが、上手い具合に行かず、結局U-23の所属チームの方で、ずっとやらせてもらいました。
1番年下の方だったので練習にあんまり絡めない時期とかもあったんですけど、1番滞在期間が、過ごした期間が長かったので、チームメイトとかも色々話せたり、コミュニケーションを取れたり。環境的にはジャバクアラも悪くなかったです。
食堂のご飯もおいしかったですし、寮も良かったですし。バスで色んなところに行けるぐらいのちょうどいい田舎でした。

イトゥアーノに行った時って圭太くん(インタビュー2回目出演)とかいたんだっけ?

圭太くんと他二人で日本人が3人いましたね。

ちなみにポジションはどこだったんだっけ?

フォワードでした。

圭太君とポジションが被っていたんだっけ?

圭太くんはどちらかというと、サイドの方だった印象があるんですけど、自分は結構真ん中よりというか、トップ下とかセンターフォワードとか、そういう方をやらせてもらっていました。

なるほど。サンタヒッテンセの方は、結構の田舎チームで色々大変なことが多かったんじゃないかと思うんだけど、寮の問題とか食事の問題とか。そういうのはやっぱりあったのかな?

食事に関しては早いもの勝ちみたいなところがありました笑
練習終わって帰るとフェジョンしかないみたいな。おかず無くなっている時があったし、寮も大部屋というか、二段ベッドが5個ぐらい置いてあって、そこに色んな人たちと一緒に寝るみたいな感じでした。
あとはトイレが1個しかなくて、すごい奪い合いみたいな感じだったし、寮にシャワーがなくて、スタジアムのスタッフ陣が使うシャワールームを、特別に日本人のみんなで使わせてもらっていました。そういう意味ではイトゥアーノとかは良かったですね。

そういうのを経験するのも大事だよね。

日本じゃそんなのできないんで。今となればすごい笑い話というか、良かったなっていう記憶の思い出になっているのですごく良かったです。

ジャバクアラはアンダー23でやっていたってことなんだけど、やっぱりアンダー23でやるっていうのは結構大変だった?

そうですね。やっぱりカテゴリが1個上がるだけで、上手さが変わるというか。すごい競争の世界っていうのをそこで結構知ったというか。結構、僕以外にも日本人の選手が3人いて、4人でアンダー23に行っていたので、そういった意味では何とかやれていたかなって感じでした。
レベルはイトゥアーノの方がレベルが高くて、ジャバクアラはアンダー23でやっていたけど、そんなにやれなかったなっていう感じではなかったです。

イトゥアーノはサンパウロの中でも常に一部で上位を走っているクラブだし。やっぱりイトゥアーノのトップなんて今年最終節で全国リーグの一部に上がれなかったぐらいのチームだよね。

1回年末ぐらいの時にサンパウロの全国大会、大きい大会があって、それに帯同して付いて行ったことがあって、その時確かパルメイラスに負けちゃったんですけど。
その時その試合を見ていて、ここすごいチームだなと思って。同じカテゴリでやっているけど、みんな上手いと思って。

僕がいた時は、それこそ正式名称わからないんですけど、フェフェ(ルイス・フェリッペ)っていう子がいてセンターバックにいて。ちょうど日本の長崎にいるクレイソンがいたりして、あと中国に今いるのかな?マルコンっていう選手とかがいて、すごい選手だっていうのを覚えています。

マルコンは何だっけ? 中国代表になるんじゃないかって言われているけど。

中国のリーグで得点王になったりして。

今回若手でカメルーン戦に出た唯一評価が高かったマルティネッリとかもイトゥアーノの出身だから、本当に良いクラブだと思います。
あとジャバクアラも結構良いクラブというか、サントスだからそんな田舎じゃなかったと思うんだよね。先ほど食事の話があったんだけど、何か口に合わなかったものとか全体的にどうだった?

僕は全部好きでした。フェジョンとかブラジルの料理全部好きで、日吉丸君(1回目インタビュー登場)は、ケチャップ、マヨネーズがダメって言ってたけど、僕は全然大丈夫でしたし、ただ1回ジャバクアラか何かでご飯食べるのが遅れた時に、暑かったせいでパテがすっごい匂っていて、それを気付かず食べた日はちょっとやばいなと思いました。
基本的にはフェジョンもそうだし、特にアサイーが好きだったんですけど。ブラジル料理は全部口に合いました。

みんなアサイーが好きだって言うよね。

僕は好きでした。パサパサ系のお米とフェジョンは毎回出て、お肉とサラダとご飯が基本出てきて、それもチームによりました。
チームで良いところは美味しいご飯なんですけど、そんなにお金がないクラブとかだと、本当に米とフェジョンとちょっとしたものぐらいしか出ないのも全然あったので。ご飯に対しての自由に食べれないからこそ、ちょっとしたストレスがあったかもしれないですね。

アサイーは私も食べたことがあるけど、病み付きになるほどのものなのかなって。ブラジルの全般的に食べ物は日本人の口に合うって考えてもいいのかな。本当にダメだっていう話あんまり聞かないので。

塩とかでしか味付けしていないので、癖がある匂いとかも無いですし。ある程度は食べやすいかなっていう風に思います。ただフェジョアーダを食べた時に、ブタの鼻みたいなのが出てきて、見た目的には・・・味はすごい美味しくて良かったですけどね。

フェジョアーダはブタの色んな部位が入っているからね。尻尾だったり、足だったり、鼻とか。そういう食べ物なんで、日本で食べるフェジョアーダはもっとソフトになって。現地での見た目はすごいグロテスクっていうのはあるよね。

グロテスクでした。

ブラジルの食事っていうのは、基本はお肉、ライス、フェジョンがパターンになってくるのかな?

朝ご飯は本当にシンプルでカフェオレとパンとフルーツだけで、昼と夜はフェジョンが絶対あって、おかずがサラダトマトとかあって、また日替わりでお肉、魚は食べた印象がなくて、リングイッサ(ブラジルソーセージ)みたいなのがあったりとか。カラブレーザもあったりとか。あとはパスタとか、それをワンプレートに盛って食べるみたいな。またフルーツがあったりとかっていう感じでしたね。フェジョンは絶対ありました。あとはおかずが日替わりみたいな。

夜もそういう感じたのかな。ある程度。

そうですね。そこはどこも一緒でしたね。サンタヒッテンセのはフェジョンだけでしたけど。

食事面ではどこが1番良かった?やっぱりイトゥアーノなのかな。

イトゥアーノが1番良かったです。結構近くにスーパーとか、食べ物屋さんもあったので、そういった面でも色んなものを食べましたし。寮もいつでもジュース飲み放題とか、フルーツも置いてあったりとか。結構最初の方は取りづらかったんですけど、慣れてきたら食べていいって聞いて食べたりしていました。

あと1週間のスケジュール、流れはどうなっていたの?

僕は試合に帯同していなかったので、平日は練習していました。
火曜日とか水曜日が、結構フィジカルがきつい日みたいな感じで、午前中にジムがあって、そこで筋トレをして、昼から休憩を入れて午後にボールトレーニングするみたいな流れがありました。
基本的には土日は自分はオフで、他のメンバーは試合があったりだったんですけど。U-20がオフの時はアンダー18の練習に行かせてもらったりとか、基本的に平日はどこかしらのカテゴリで練習はしていました。土日オフで近くに公園があったので、そこに走りに行ったりとか、「ボール蹴っていいか?」って聞いて「いいよ」って言われたら、ボール蹴ったりとかはしていました。

そういうパターンのスケジュールが1年間続くわけだけど、全体的にはサッカーするにはすごく充実したスケジュールだったのかな?

そうですね。アンダー世代でもプロみたいな生活をしているというか。ボール蹴って、ご飯食べて、オフでしっかり体を休めて、ボール蹴ってっていう。日本は学校があるので、サッカー漬けっていうのはできなかったと思うし、そういった意味ではサッカー修行に行くにはすごく良い環境だったかなというのは思います。

みんな寮生活で、特にアンダー18、アンダー20とかになると、プロ予備軍みたいな感覚でみんなプレーしているからね。あとフィジカル面だけど、天智って結構体格いいじゃん。そういう風に思ったんだけど、実際に現地に行ってどうだった?

昔、格闘技とかもやっていたりしてたのでフィジカルは自信があったんですけど、実際ブラジルに行ってみて、フィジカルの種類が違うというか。
どちらかというと身のこなしとか、腕の使い方とか、独特な体の身のこなしというか。バチンとぶつかるというよりは、球際の上手さというか。
日本でいうフィジカルが強いというのと、また違ったフィジカルが上手いという印象があって。自分よりあまり背が高くない小さい選手とかでも球際負けてしまったりとか。
もちろんセンターバックの強い選手とか競り合っても勝てんかったんですけど。そういう意味ではフィジカルは全然日本よりレベルは高いなという印象はありましたね。

そうだよね。向こうで1年中サッカーに専念して生活できるわけだから、とにかく色んなフィジカル練習とか日本よりもしっかりやっているのは事実だと思うんだけど、天智の場合は行く前からガッシリしていたけど、日本から留学する場合っていうのは、結構フィジカル面で差を感じると思うのだけど。フィジカルの今言ったガチンっていうか、それだけじゃなくて色々な体の使い方とかもいったけど、全体的なフィジカル面っていうのは、日本から行く場合はある程度事前に強化した方が良いのかな?

そうですね。フィジカルもそうなんですけど、体の柔軟性とか、体幹とか、そういうのをしっかりした方がいいかなと思っていて。結局、体をガシガシ鍛えて向こう行っても怪我をしちゃうかなっていうのがあって、もう1回行くんだったらそっちの方を準備して行きたいなと思っていて。

なるほどね。3チーム、違う場所で生活していたんだけど、日本から行く場合ってブラジルの治安とかみんな心配するじゃない? 実際に行ってみてどうだった?

僕も結構心配だったんですけど、みんなにも心配されたし。でも全くもって危ないなっていうところはそんなにありませんでした。
ただ夜とか暗くなる時は寮から出ないようにしていました。
3つのチームとも基本的には危ない事もなかったんですけど、ただサンタヒッテンセに行った時に、近くにファベーラ(貧民街)っていうんですか。そこからすごい銃声とかが聞こえていて。そこにはちょっと行くの止めようかなみたいなことはありました。
行くところを気を付ければ、特に夜間、問題はないかなって思いましたね。あとは単独行動は絶対にしなかったので、そういうところを気を付ければ安全かなと思います。

注意すべきことっていうか、守るべきところをしっかり守れば、それほど心配する必要はない。あとは単独行動とかしないことが大事だなということだね。

そうですね。

ブラジルのチームメイトとか、国民性とか、すぐにみんなと仲良くなれたっていうのはある?

そうですね。基本的にはやっぱりよく言うんですけど、すごい明るいというか、鬱陶しいくらい友達想いというか。そんな他人のことを心配する?っていうくらい心配してくれますし、すごい友情深いというか、そういう印象がありました。
最後のジャバクアラのチームメイトとかは、今も連絡を取ったりとかもしていますし。やっぱりそういう友達を大事にするっていうところは、日本人よりすごいしっかりしているなと思いました。
知っていた以上に大事にするなと思いました。あとは本当にサッカーとサッカー以外のオンオフの切り替えがすごくて、サッカー中だとそういうのは関係なく、仲良い友達とかでも文句を言いあったり、罵りあったりするというか。サッカーが終わったらすごい仲良いみたいな。多分日本ってそこ引っ張っちゃう感じがあると思うんですけど、そういう面ではすごい良かったです。

そういう面では付き合いに関しては、本当に大きなトラブルはなかった?

そうですね。なかったけど、結構サッカー中は色々辛いというか、嫌なことを言われたりはしていたんですけど。そういうのは今思えば当たり前ですし、実力がない選手にそうやって言うのは競争世界で当たり前なので。
ただ、それが終わってピッチ外に出ると良くしてくれるというか「買い物行こうぜ」とか。それこそ「アサイー食べに行こうぜ」とか。すごい良くしてくれました。

それ大事だよね。ピッチ上では競り合いだから競争なので。ただ、それを引きずらないのが1番大事だよね。

そう思います。

コミュニケーションに関して言葉の方はどうだったの?行く時はほとんど話せなかったと思うんだけど。

行く1ヶ月前とかは、ブラジルに行っていた人に教えてもらいながら、単語とか覚えて行ったんですけど、結局向こうに行ったら1番最初がイトゥアーノの寮を管理する門番みたいな人がいたんですけど、その人と2人部屋だったんですよね。名前なんだっけな。背が低くてぽっちゃりしている人。

すごい良い人だよね。

そうです。その人と一緒の部屋で、ずっと自分は辞書を持っていたので、ポルトガル語の辞典を持っていて、それを常に引きながら会話をしてたので、最初の方は何言ってるかわからないし、自分も単語しか伝えられない、ちょっと苦労はしたんですけど、半年ぐらいしたらだいぶ聞き取れるようになってきて、多分文法とかめちゃくちゃなんですけど自分の思いとかもある程度伝えれるようになってきました。
コーチが言っていることも、なんとなく分かるようになってきたというか。最初はずっと辞書を持っていて、ブラジル人ってすごい優しいというか、分からなかったら待ってくれるんで。

じゃあ帰ってくる頃は、日常会話ぐらいは普通に話せるようになってたの?

そうですね。買い物とかも全然1人で行けましたし、そんなに困ることなく生活はできていました。

基本的には多少の単語を覚えて向こうに行って積極的にコミュニケーションを取れば、そんなに大変なことじゃないよね。

そうですね。基本的な挨拶とか、あとはサッカーの単語とか覚えて行ったので、そういう準備はした方がいいかなとは思いました。

あとブラジルの場合って日本みたいに電車地下鉄がたくさんあるわけじゃないので、交通面ですごい不便だったってある?

寮自体がスタジアムの近くだったので、そんなに不便に感じたことはありませんでした。
買い物に行く時はバスを使っていたんですけど、バス自体もそんなに不便じゃないし、よくサンパウロ市内に行く時は地下鉄っていうんですか。乗った時とかもそんなに不便には感じなかったです。

そうなんだね。そんなに観光に行くわけじゃないからね。

基本的には寮とスタジアム練習所の行き来で、そこを歩いて行っていたので。

そうだよね。イトゥアーノも目と鼻の先だし、ジャバクアラも寮が中にあるようなものだから。サンタヒッタはどこだったの?

サンタヒッタは寮から5分ぐらい歩いて行くところだったし、2か所練習所があって、1個は学校の敷地内みたいなところにあって、そこも歩いてすぐでしたし、車とかバス使って行くほどではなかったので、全部歩いて行っていました。

その当時、物価とかどうだった?

物価ははっきり覚えてないんですけど、日本より安いなって思っていました。お菓子とかも「このお金でこれだけ買えるんだ」とか、コーラとかも「日本より安いじゃん」って思っていましたし。ただスーパーとかだったら安かったんですけど、スポーツショップとかに行くと、結構高いなっていう印象はありました。

それはあるね。あまり日本と変わらないのかなと思うぐらいだよね。あと実際に衣食住っていうのがついているわけじゃない。例えば留学をした時に必要な月のお小遣いっていうのはどのくらいなものなんだろう?

特に覚えてないですけど、服とか靴とか結構持って行っていたんで買ってないですし、食事に関しては3食寮が出してくれるので問題なかったですし。あとはオフの時に行くジュース代とか、アサイー代とか、おやつ代とか。本当に観光とかを除いてサッカーだけって考えると、1ヶ月に多分5000円ぐらいあったら足りるんじゃないですか? 日本円で言うと。

そうだよね。基本的には生活はできるんだね。

そうですね。極端に言えばお金がなくても生活はできると思います。

なるほど。サッカーの話に戻るんだけど、日本とブラジルのサッカーの違いっていうのは、自分の中で大きく感じた?

やっぱり感じたのは、シンプルにゴールを目指すスポーツというか、サッカーをしているなという印象でした。
日本だとパス回したりとか、細かいことを指導するんですけど、ブラジルのトレーニングってやっぱり最終的なゴールを決めるっていうところに落ちてくるので、そういった意味ではすごいシンプルなことをやっているんだなと思いました。
日本とは違う技術というか、日本のボール扱いが上手いっていうのとはまた違って、やっぱりボール扱いが上手いというか、サッカーが上手いというか、リフティングとかボールタッチは日本人の方が上手いかもしれないけど、ゴールに入れるっていうところを逆算した時に、すごい良い選択をしているというか、が無駄がないプレーをしているっていうのはすごい思いました。
あとは1番印象的だったのは、ゴール決めた時は喜ぶのは当たり前なんですけど、ディフェンスの選手が相手の攻撃を止めた時にゴールを決めたかのように喜ぶというか、吠えるというか。ああいうのはすごい新鮮でしたね。Jリーグとかでも日本で見たことなかったので。そういう意味ではすごい戦っているなっていう感じはありました。

そうだね。1つ1つのプレーに対して喜怒哀楽というか。1人1人すごい喜ぶし、怒るところは怒るっていうような。やっぱりその辺がすごいメリハリがあるんだろうね。サッカーに対する姿勢っていうか、日本とブラジルでの選手たちがサッカーをするにあたっての気持ち的な部分とかって何か大きく差ってあった?

よく言うのは、やっぱりブラジルの方がサッカーに対してどん欲だっていう風に言うんですけど、それに関しては本当にそうだなと思いました。
1番違うなと思ったのがブラジルって自分が良いプレーをしたら自分のおかげみたいな。自分が悪かったりミスした時は神様のせいだみたいな。
日本だと良いプレーすると周りの人のおかげだみたいな。悪いプレーをすると、自分が悪いから練習せんといけんなみたいな。そういう考えになると思うんですけど、ブラジルは、活躍したらこれは自分の実力だっていうか。すごい自己肯定感が高いというか。ミスしたら神様が悪いとか。そういうのを普通に言っているので、そこがメンタルが違うんだなみたいなのを思いましたね。

よく日本でハングリー精神っていう言葉を使うじゃない。そういうものに関してどう? やっぱり背負っているものが違うとか。

そうですね。やっぱり1個のミスに対してとかめちゃくちゃ文句言うし、めちゃくちゃ要求してくるし、そういった意味では1つ1つのプレーに責任をかけてやっているんだろうなみたいな印象がありました。メンバーとかも、新しく入れ替わりがあったりするので、話を聞くと「あいつはあんまり良くなかったから、1回辞めさせて今新しい練習生を入れた」みたいなことを言ったりも聞いたりもしていたので、そういった意味では本当に僕らはお金を払って行かせてもらってるんで、そういうことがなかったんですけど。そういう競争世界の中でやっているから、1個1個のプレーにすごい厳しいというか。ここまで言う? みたいな感じでした。

彼らは生き残るために必死なんだよね。

そうですね。

フォワードとして結構日本でもフォワードのことに対して決定力がどうのこうのとかって言われ続けているじゃない。最近良い選手いっぱい出てきているけど、やっぱり自分がフォワードとしてブラジルでプレーしてみて、日本人が足りないところ又は、この辺もっとしっかりと伸ばしていく必要があるかなっていうのって感じたことがある?

思ったのは技術とかシュートセンスとか動き出しとかに関しては、日本人ってレベルが高いなっていうのは思うんですけど、やっぱりさっき言ったメンタル。1個のチャンスに対しての捉え方っていうところが、やっぱり日本人って周りを気にする分、色んなものを背負って打っちゃうので、筋肉とか固まっちゃって、ふかしちゃったりとかすると思いますし、そういった意味ではメンタル面っていうところと、あとは単純にフィジカルスタンダードというか、っていうのを上げていかないと、これから世界で色んな強い選手でやるとなった時に、そこじゃ勝てないと思うので、フィジカルとメンタルが課題なのかなっていうのは思いました。

ブラジルで1年間通じてサッカーでも良いし、日々の生活でもいいんですけど、ここが本当に辛かった!またはこれが本当に楽しかった!っていうのがあれば。

辛かった思い出は1番覚えているんですけど、イトゥアーノに9月に行って3ヶ月間いたんですけど、12月の年末に日本人が帰っちゃって、日本人が僕しかいなくなった時に、試合移動中のバスとかも結構言われたりして、そこはすごい辛かったですね。日本人だけ水飲むなとか。日本人飯食うなとか。1人になった途端めっちゃ言ってきたんで、そこは結構辛かったです。

そんなことあったんだ。

その時だけすごいサッカー嫌だったんで、練習行きたくないなみたいな思っていたんですけど。でも行くしかないし。練習で見返してやろうかなって思っていたけど、練習も大会期間中だったので、ベンチ外メンバーは走っておけというか、あんまり練習入れてもらえず、そういう期間が続いた時は結構辛かったです。

それは今はすごい良い経験ですけどね。そういうことってなかなかないので。

そういうのを堪えて後になれば良い経験だって言えるけど、その場では結構辛い思いはしたのかな。

辛かったですね。日本語で愚痴る人もおらんしみたいなところもあったんですけど、それが良い経験です、今は。逆に楽しかったことは、その時以外のサッカーは楽しかったですし、練習も新鮮だったし。あとは本当に練習がない日が、練習が終わった時にチームメイトとちょっとセントロ(中心街)に出て買い物というか、色んなものを見たりとか、それこそアサイーを食べたりとか、そういう何気ない休憩時間がすごい楽しかったです。 

言葉が分からなくても、ブラジル人って結構しつこく話してくるじゃない? やっぱりそういうことが言葉を覚えることにはプラスにはなっているのかね?

そうですね。分からなかったら分かるまで言ってくれますし、お店行った時に「言ってみろよ、天智」みたいな感じで言ってくれたりとか。「これはこうだからな」とか、「これはこうするんだぜ」っていうのを「分かっているよ」って言っても教えてくれるし。そういった感じで言葉覚えていきました。

同じ日本人がチームメイトにいても、日本人同士でつるまないのが1番のコツなんだろうね。

そうですね。1つ後悔があるとしたらジャバクアラにいる時に、さっきトシくんとかジュンくんとかリョウくんと一緒って言ったんですけど、部屋も一緒で練習も一緒だったんで、日本人でいることが多くて、今思ったらもったいなかったなと思いました。
多少は辛くてもブラジル人といた方が後々活きてくれるなっていうのは、ちょっとだけ後悔しています。

それはそのタイミングで分かっていれば、部屋を別けてくれって言えたんだけど、こっちの配慮がなかったのかもしれないので逆に申し訳ない。

いえいえ、最初は良かったんですけど、徐々にっていうところで。

チーム側も少しでも居心地を良くするために、日本人同士でいた方が良いのかなって思ってくれるところもあるので。

多分そうだったと思います。

あと1年間を通じてブラジル、私生活もそうだし、サッカーもそうなんだけど、日本から遠く離れてブラジルで過ごしたことに関して何を感じた?

1番感じたのは、日本食の美味しさっていうのを感じました。
あとは日本って本当に色んなものに恵まれているなっていうのは思いましたね。
シャワー浴びれないこともないし、美味しいご飯もあるし、ゆっくり良いところで寝れるしで。
そういった意味では、日本の方が豊かだなと思ったんですけど、ブラジルに行って思ったのが、そういう豊かさは無いけど明るくて楽しくて、すごいサッカーに真剣に打ち込んでいて、そういう中だからこそ違った強さというか、楽しさが生まれてくるんじゃないかなっていうのは感じました。
日本は色んなものが溢れすぎていて、考えることが多くて、ブラジルにいる時は色んな事がシンプルだし、ある意味なんかすごい楽だったというか。
でもそういうことを感じる機会があったのはとても良かったと思います。

あと実際に留学して得たものっていうのは。

サッカーの話で言うと、メンタルの保ち方であったりとか、ブラジル人の身のこなしというか。日本に帰って結構調べたりもしたんですけど、そういうところはすごいメンタルとフィジカルっていうのは参考になりました。
サッカー以外で言うと、ブラジルの人って自分の思ったことをすぐ言うんですよ。日本だと色んなことを考えて「言うのやめようかな」っていうのがあると思うんですけど、それじゃなくて、やっぱり自分は思ったことをパッと言っていく人間になりたいと思って、そういう意味ではやっぱり色々伝えるようにはなりました。
自分の気持ちをもっと正直に出してもいいかなっていうのをすごい向こうに行って感じたので。日本に帰ってから、それを意識して今は生活しているんで、そういう意味では色んなことを学びました。

多分、日本とブラジルの大きな差っていうのは、やっぱりブラジルは色んな小さいトラブルに直面するじゃない。スケジュールがいきなり変わったりとか。場合によっては言われていたことが全然そうじゃなかったりとかあるじゃない。
そういうものに対してはとまどったと思うんだけど、そういうのってどう思う? 実際に自分が1年間味わってきたことによって、自分の人生、その後日本に戻ってきて役に立っていることとか。

気持ちの持ち方というか、ブラジルって言われたことと、違うことがいっぱいあって、いちいち気にしていたら、自分がしんどくなるだけだし、気持ちを切り替えるっていうところは向こうで学んだというか、日本でもし同じことがあっても「まあいいか」というか。自分は違うし、人はこうだしみたいな。そういう物事を楽観的に考えるようになりました。

そういうのではブラジルで経験したことがプラス面で今の人生にも役に立っているのかな?

めちゃめちゃ役に立っていますよ。

日本に帰ってきて、そこからまた日本でサッカーをやろうと思う気持ちはなかったのかな? 地元にはガイナーレとかあるじゃない?

日本に帰ってきて、ガイナーレとかJのクラブとかのセレクションに行ってみようかなと思ったんですけど、今入っているフットサルチームの練習とかブラジルに行く前にも行っていたりして、フットサルも面白いなって思っていて、ブラジルに行っている1年間はサッカーに集中していたんですけど、ブラジルから帰って久しぶりにそのチームの練習に行った時に、やっぱりフットサルの方が自分は面白いなと思って、それでサッカーのプロっていうのは1回やめて、フットサルのプロを目指そうと思って。そこからフットサルの方に行きました。

なるほど。その気持ちの切替えっていうのは、そんなに難しくなかったのかな?

そうですね。同じボールを蹴るスポーツですし、ブラジル行ったことがフットサルでも生きるなと思ったし。フットサルの方がブラジルの要素強いなと思っていて。そこが活かせるなと思ったし、そんなに気持ちの切り替えに関しては戸惑うこともなく、サッカーは地元の社会人の延長でまたやれたらいいかなぐらいの感じでした。

なるほど。大人になってフットサルを始める人もいるけど、ブラジルの場合ってジュニア世代ってフットサルが多いよね。そこからサッカーに移行していくっていうケースが多いと思うんだけど。今、フットサルやっているじゃない。日本はどうなんだろうね。もっともっとジュニア世代とかフットサルを学ぶことは大事なんじゃないかと自分は思うよね。そこからサッカーの方に転向していくっていう。

そうですね。そこに関しては絶対そっちの方がいいと思います。やっぱりフットサルの方が人数も少ないし、ピッチも狭い分、ボールを触る回数っていうのがサッカーより多くて、判断するスピードもサッカーより速いのが求められるので、小さいうちからまずやっておいて、それである程度年齢がいった時にサッカーにするのか、フットサルに行くのかっていうのを選べばいいと思っていて。自分は1番最初はフットサルから始めた方がいいかなって今は思います。

自分もフットサル日本代表で4年間サポートして思うんだけれども、今Fリーグが歴史長いんだけど、自分もフットサルをどんどん普及して、特に子供の世代、ジュニア世代に、もっともっと競技人口が増えてほしいなと思っています。
本当にそういう意味では天智に期待しているので、フットサルの楽しさを伝えて欲しいなと思っています。
最後の方になってくるんだけれども、ブラジルに行って本当に良かったのかどうか。また機会があればブラジルに行ってみたいという気持ちがあるのかどうか。
最後に今後ブラジル留学を目指している子が結構いると思うのよ。その選手たちに対してアドバイスをしていただければと。

そうですね。最初にまとめちゃうとブラジルに行って本当に良かったと思っています。色んなことを学んだし、日本との色んな違いっていうのは、自分の世界観を広げてくれるきっかけになったので、そこはすごく良かったなと思っています。
結婚もして、子供もいるんですけど、ブラジルに行く機会っていうのは難しくなってくるんですけど、タイミングが合えば是非行ってみたいなと思っています。
今度はサッカーじゃなくて、フットサルの部分っていうのを実際やってみたり、どういう指導をしているかというか、どういう関わり方をしているのかなって見てみたいな思っています。
ブラジルのフットサルリーグとか見るので、これからブラジルに行くって考えている人たちへメッセージなんですけど、行くんだったら絶対に行った方がいいと思います。
行くと思う人は、向こうでプロになるとか、夢というか、色んな希望を持って行くと思うんですけど、実際、本当にそういう簡単な世界じゃないです。
自分が思ったように多分事は進んでいかないと思うし。
でもそういった色んなことを経験する中で、自分の新しい面というか、価値観が広がると思います。
プロになるプロにならないっていうのは置いておいて、とりあえず行ってみて色んなことを経験した方がいいかなと思います。
さっきも言ったんですけど、行くんだったらなるべく日本人1人で行った方が、最初はきついかもしれないですけど、後々に生きてくるんじゃないかなっていうのは思います。

ありがとうね。フットサルでもブラジル遠征を企画したりしているので、是非その気になったら一緒にできればいいなというか。短期でも指導者ツアーみたいなものもありなので、何かあればどんどん言っていただければと思います。

僕が指導している選手で、色んな選手がブラジルに行きたいっと言っているので、もしそうなればエジソンさんに連絡しようと思っています。

よろしくお願いします。せっかくブラジルとの縁があるわけだから、ブラジルの仲間とも今後やり取りを続けてもらえればいいのかなと。せっかくだから海の反対側の友達も大事にしていって欲しいと思っています。

はい、ありがとうございます。

関東に来ることがあったら応援に行くので、よろしくお願いします。

対談はおよそ1時間にわたって行われました。

ご協力してくれた井勢君ありがとうございました!

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